説教・金知明伝道師
「主はわたしの牧者であって、わたしには乏しいことがない」(詩篇23篇1節)
聖書のなかで有名な箇所の一つ。多くの国で歌や讃美歌にされています。しかし、あまりにも有名でかつては感動を持って読んでいたのがどこかにしまいこんでしまっていたとしたらどうでしょうか。
羊の習性と人間の行動はよく似ていると言われます。この詩篇を歌ったダビデの時代の人々はこのことを良く知っていました。おろか、群れで行動(離れるとストレス)、臆病(危険に遭遇するとすぐパニックを起こす)、視野が広い(周りに気を遣う)、牧者の声を聴き分けてついて行くが餌に執着するあまり惑わされたり、窪みにひるんで先に進めなくなったり。私たち人間の特徴を見ているようです。
このような弱い羊の生存には良い牧者の存在は不可欠であることもダビデの時代の人々は知っていました。ヨハネによる福音書10章7〜18節でイエス様は「わたしはよい羊飼である。よい羊飼は、羊のために命を捨てる。」と言われました。
ダビデはその生涯の中でたくさんの危機に遭いました(ゴリアテとの戦い、サウロ王からの逃亡生活、親友ヨナタンとの別れ、バテシバの夫を戦場に送って死なせてしまった罪)が、その中どんな状況下でも神様が自分を守り導いて下さったことを心に一つ一つ確実に刻み込んでいきました。
私たちもダビデのように牧者である神様の最も大切な約束、目の前のいかなる状況からもあたなを救い出す力のある方であること、導いてくださる方であること、私たち一人一人に目を向けられている方であること、あなたのために命を捨てたほどの愛がある方であるとをもう一度、思い起こし記憶から引っ張りだしてくる必要があります。
ダビデが心の絶望の中から歌ったこの詩篇は神様のあなたへの約束でもあります。