ユダヤ民族の話、その歴史について解説を始めたところ、いきなりユダヤ人の歴史には興味がないと言われました。挙句は歴史に興味がないとまで言われました。今の時代に生きて考えるだけで精一杯なのになんで昔の人のことを知らなければならないのか、と。
そこで私は百歩譲って、ユダヤ人とは言わない、せめて自分たち日本人のルーツについては知りましょう、と続けました。
仮にホモサピエンスの辿った道を人類の歴史だとしますと、現在では人骨や遺跡などの考古学的発見や遺伝子の研究により人々がどのように移動して現在のように世界中に分布するようになったかを推定することができるようになりました。ここに示しましたのは日本への人類の移動の一つの推測図です。
しかし、日本人の起源、のみならずある民族、或いは国家の歴史の始まりを語る場合には、こう言った研究は助けにはなりますが、どうしても必要になってくるのが日本人自らその歴史を記した文書です。文字による説明です。
そのような意味で日本人の起源を記した最古の文献はお馴染み(?)の古事記であり、日本書紀になると思います。古事記は日本の第43代天皇とされる元明天皇が太安万侶(おおのやすまろ)に命じて伝承などを編集させ712年に完成させたもので、日本書紀はその少し後の720年に完成したとされています。
古事記は日本列島の創造神話が記されておりその書き出しは次のようになっています。
「陛下の臣(おみ)である安萬侶(やすまろ)が申し上げます。そもそも宇宙のはじめの混沌が、やっと一つに固まってきたところで、まだ気も形のくまどりも現れず、だから何かに名づけようもなく、何かの作用もないから、誰もその形というものを知りようもない。そのような状態であったけれど、混沌が初めて二つに別れて天と地とになり、その天に三人の神が天神の始めとなり、陰と陽も初めて分かれてその地に男女二神が万物の祖先におなりになった。」
少し旧約聖書の書き出しを連想させられますね。あるいは新約聖書の三位一体を連想するかもしれません。少し歴史への興味は掻き立てられましたかね?古事記の続きはウィキペディアなどで調べて見てくださいね。キリスト教入門でも時々ユダヤ人の歴史の記録と対比して見ていきます。
では次に本題のユダヤ人の歴史の話しをはじめます。
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