カテゴリー
お知らせ・行事予定 説教要約

カビる心に、優しさが生えるとき

金知明牧師説教

聖書:ヨハネの福音書14章26節
しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。(新改訳2017)

しかし、弁護者、すなわち、父が私の名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、私が話したことをことごとく思い起こさせてくださる。(共同訳2018)

ὁ δὲ παράκλητος,
o de parakletos,
The but advocate
しかし、助け主(弁護者、代理人)

τὸ πνεῦμα τὸ ἅγιον,
to pneuma to hagion
the spirit the holy
霊 聖なる

ὃ πέμψει ὁ πατὴρ ἐν τῷ ὀνόματί μου,
ho pempsei ho pater to onomati mou,
who to-send the father in the-name I,
者 送る 父 名において 私の

ἐκεῖνος
ekeinos,
that-one,
その者

ὑμᾶς διδάξει πάντα
hymas, didaxei panta
you, to-teach all
あなた方、教える 全て

καὶ ὑπομνήσει ὑμᾶς πάντα
kai hypomnesei hymas panta
and to-remind you all
そして 思い起こさせる あなた方 全て

ἃ εἶπον ὑμῖν [ἐγώ].
ha eipon hymin ego.
that to-say you I.
それ 話した あなた方 私。
The Lexham Greek-English Interlinear New Testament (Bellingham, WA, 2008)

要約:
神の霊が吹き込むとき、優しさが芽生える

私たちの心は、まるで梅雨時の部屋のように、気づかぬうちに湿気を溜め込み、カビのようなイライラや無関心、恐れが広がることがあります。そんなとき、神様は私たちに“助け主”として聖霊を与えてくださいました。ヨハネ14章26節の御言葉にあるように、聖霊は私たちにすべてを教え、主イエスが語られた言葉を思い出させてくださる存在です。

ペンテコステは、イエス様の復活後50日目、イエス様がかねて約束(使徒の働き1章3-5節)された通り弟子たちに聖霊が注がれた日であり、教会が誕生した出来事でもあります。神の霊が彼らの内に吹き込まれたとき(使徒の働き2章1-13節)、恐れに閉ざされていた心が解き放たれ、力と希望をもって福音を語り出したのです。目に見える奇跡も確かに起こりましたが、もっと大きな奇跡は「心の変化」でした。

私たちもまた、自分の心を無理に変えようとしてもなかなかうまくいきません。しかし、聖霊の風は、私たちの心の奥深くに静かに優しく届き、乾いた地に水がしみこむように、心を潤し、優しさを芽生えさせてくださるのです。怒りを笑顔に、無関心を思いやりに、恐れを勇気に変える――それが聖霊の働きです。

詩篇104編30節は「あなたが御霊を送られると、彼らは創造され、あなたは地の面を新たにされます」と語ります。聖霊は、私たちの心を新しく創り変える力を持っておられます。そしてガラテヤ人への手紙5章22-23節が教えるように、その霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制です。これらの実は、決して一夜にして実るものではありません。神の霊が注がれ、優しさが根を張るとき、時間をかけて少しずつ心の中に育っていくものです。

梅雨の湿気対策に部屋の換気が必要なように、私たちの心にも風通しが必要です。モヤモヤを無理にほどこうとせず、神様の霊に委ね、心の湿気を取り除いていただくこと。それこそが、カビる心に代わって、優しさの芽が出る第一歩なのです。

神様からの賜物である聖霊は、制度や努力だけでは得られない愛の交わりを、教会という共同体の中に築いてくださいます。私たち一人ひとりの心が、日々新たにされ、聖霊の風に吹かれながら歩みを進めるとき、そこに静かに、しかし確かな「愛の果実」が実っていくのです。

コメントを残す

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.