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聖書の読み方

キリスト教入門(5):全人類への祝福

神様がなぜ、4000年前と言う時に、メソポタミアの地で、アブラハムと言う人物と約束を結んだか。つまり、なぜ人類の歴史の中のこの時、この場所、この人を選ばれたのか。とても大事な質問ですが、罪(ハマルティア)の理解について話しを急ぐので、これについてはまたいつか(「キリスト教・旧約聖書を考える・編」?)考える事にしましょう。

創世記12章1節から3節にこう記されていいます;
「時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」。」

一言、アブラハムの名前のことですが、元々「アブラム」だったのを、後に「アブラハム」に改名されます。

さて、神様の約束はつまるところ、神様の言う通りすれば、「地のすべての」国民、人類は、「あなた」アブラハム「によって祝福される」というものでした。

ここでまた疑問が起こるのですが、アブラハムはどうして神様を神様として認識できたのでしょうか。彼の先祖から伝承として神様の存在を聞かされていたのでしょうか。これについても別のシリーズで考察することにします。

さてさて、「地の全ての」人々が祝福されるとはどう言うことでしょうか。なぜ神様がこのような約束をされたのでしょうか。ここで、注目すべきことは、個人、アブラハムが神様の命令に従えば、神様はその見返りとして、先ずアブラハムの子孫を増やし、大いなる国民・ユダヤ民族とするということです。そして結果的に、神様はその国民を通して全ての国民、全人類を祝福するという事です。

こう考えますと、ユダヤ人の歴史は私たち日本人のみならず、あらゆる国のあらゆる歴史と深く重大な関わりあることになりますね。

創世記12章はこのように神様が一人の人を通して人類との最初で、きわめて重要な歴史的接点を記録しています。

創世記12章よりも前、創世記1章から11章までは、アブラハムよりも前の時代、ユダヤ人の歴史のなかで「神話」の部分になります。ここで、誤解のないように。神や神々などは存在しないと考える人にとっては「神話」=「作り話」となるでしょう。しかし、「神話」(英語でmyth)という言葉やそのジャンルは元来「神、神々に関する話」であり、それが人々の想像や願望や都合からの創作であるか、史実(歴史的事実)であるかとは別に考えなければなりません。紀元前2000年頃という歴史の中に生きたことが記録されているアブラハム以前の創世記の記述は、その記されている一つ一つの出来事が何時ごろの事であったかは定かではありません。そこに記されている系図や年齢、年月から色々計算して、大洪水は何時ごろ起こったとか、最初の人間(人類)は何時ごろ誕生したかとか、宇宙が何時ごろ始まっとかなどを推測して見せる人々もいますが、そのような間違った読み方をしないよう、創世記11章以前は「神話」として記録されていることを理解する必要があります。
もう一度誤解されないために言いますが、私は創世記1章から11章までに書かれていることを事実として信じておりますが、史実的には記録はされていないと理解しております。

創世記1章から11章までの間に、ユダヤ民族の神観、そして、罪(ハマルティア)について考える手がかりか記されています。

次回以降、その要点について見ていきたいと思います。

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