人の心には多くの計画がある、しかしただ主の、み旨だけが堅く立つ。(箴言19章21節)
就活、婚活、朝活…など「○○活」という言葉がたくさんでまわっていますが、「終活」も多くの人が知っている言葉だと思います。
今から10年程前にある週刊誌で使われたのをきっかけに広まった言葉で、「人生の終わりに向けた活動」のことです。
世界の中でも長寿国の日本は少子高齢化社会が進み、単身高齢者、認知症の患者増加、空き家問題、相続問題が取りざたされるようになりました。価値観の多様化もあり、多くの方が自分の今までの人生を振り返り、人生100年時代の後半期の生き方を考えるようになりました。自分の最後は自分で決めたい、家族から相続のことを決めていてほしい、など、もしもの時に家族に伝えるべきことを整理しておく「終活」が必要な世の中になったのだと思います。ライフプランナーや終活アドバイザー、終活カウンセラーの資格や仕事があるくらいですから。現在では死後に向けた事前準備だけではなく、「人生の終わり方を考えることによって今をよりよく生きるための活動」という前向きな意味合いになってきています。
親世代が高齢になり思うのは、親が50代のころは「終活」をすることはタブーな時代だっただろうと。信仰を持っていてもなかなか理解してもらえず苦しい思いもしたと思います。
それに比べると、生き方や宗教の自由や多様な現代は、自分の意思を示しやすい世の中なんだと思います。
「終活」の中には、葬式や相続、財産や住まいのことなどがありますが、医療や介護のことを忘れてはなりません。病気になったときの治療や告知、終末医療などの希望を家族に伝えておくことは大切です。認知症で判断が困難になった時のために後見制度についても知っておくと良いと思います。エンディングノートや終活支援ノート、成年後見ノートなどのツールも普及してきています。
そこで、「人生会議」(ACP:アドバンスケアプランニング)をきいたことがあるでしょうか?もしものときのためにあなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い共有する取り組みのことです。
人生の終わり方について考えて伝えること、それは残りの人生の生き方を考えさせられます。
今、私は親の介護や仕事を通しての終活中です。日々学習で、気づかされることが多くあります。日々多くの計画がある毎日ですが、みことばにあるように、「ただ主のみ旨だけが堅く立つ」という信仰に支えられています。
不安な中にあっても、喜びも困難も前向きに進んで行きたい。私の「人生会議」には「主もともにおられる」ことを家族にも伝えられるように。